抵当権の効力の及ぶ目的物の範囲は抵当不動産(抵当権が設定された不動産)のほかに、それに付加して一体をなした物にも効力が及ぶとされる(民法370条)。
なお、民法242条の付合物は付加物に含まれると解され、抵当権の効力が及ぶことは疑いがない。民法87条の従物に関しては、判例では従物を抵当権の効力が及ぶことを肯定している。
抵当権の効力が及ばないのは下記のような場合である。
- 抵当権設定契約において、付加物に抵当権の効力が及ばない旨の特約を当事者が結んだ場合。
- 債務者が他の債権者を害することを知りながら抵当不動産に物を付加させ、抵当権者もこのことを知っている(悪意)場合。
- 第三者が権原にもとづいて抵当権設定者の抵当不動産に自己の物を付属させた場合には、その物は第三者の所有権にとどまるので抵当権の効力はそれには及ばない。
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